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- 対人・社会心理学科:教員紹介
- 髙橋 尚也 講師
髙橋 尚也 講師
Naoya Takahashi, Ph.D.
暮らしの中の「疑問」を心理学的に解き明かす

みなさんは隣に住んでいる人のことをどのくらい知っていますか? または、家から駅まで歩く途中で、挨拶をかわす人が何人いるでしょうか? 隣の人のことを知っていても知らなくても、挨拶する人がいてもいなくても、あまり重要なことでないと感じるかもしれません。ところが、アメリカのある政治学者は、上記のような人と人とのつながりが希薄になった社会では、死亡率が上がったり、殺人率や犯罪率が増えたりすることを明らかにしました。
上記はひとつの例ですが、私は、「地域」や「行政」や「政治」に関する事柄を心理学的な側面から研究しています。少し「かたい」「難しい」というイメージを抱くかもしれません。しかし、そんなことはありません。どれひとつとっても、人と人が集まって何かをしているわけですから、ドロドロした人間関係や、いろいろな意見の対立、人気のある政治家とそうでない政治家など、みなさんの身近にある人間関係(クラスや部活の中の関係、魅力的に見える人とそうでない人など)で起こることと似ている点がたくさんあります。このように、地域や行政や政治の中には、心理学的に興味深いことがたくさんあるのです。こうした「ドロドロ」や「対立」を乗り越えるためにはどうしたらよいのか、どうしたら多くの人が納得できるような社会をつくることができるのかなどを研究しています。
現在の研究のテーマ
- 住民と行政との協働
- 政治意識・社会意識
- 地域の対人関係
どんな研究なの?
「行政」や「政治」、「地域」という言葉を耳にすると「難しそう」と感じるかもしれません。具体的には、防犯パトロールなどの活動や、地域のコミュニティセンターの運営などで、自治体職員(市や区の職員)と活動している住民の方との間にどのような対人関係が築かれているか、どのようなトラブルがあるかを研究しています。その結果、両者の対立的関係から、支援的な関係を経て、相互に自立的な関係になることがわかってきました。また、住民の方が地域での活動に参加するためにはどのような要因が影響するかについても研究を進めています。
このほかに、大学生が選挙や社会に関心をもたない理由は何か、裁判官や警察官などの公的機関で働く人に対するイメージ、社会や食に関するリスク認知に関する研究も行っています。
主な担当科目 
- 対人・社会学基礎演習
- 社会心理調査の基礎
- 社会心理調査の方法
- 社会的貢献の心理学
- 社会心理調査実習
- 対人・社会心理学演習
- 卒業論文・卒業研究
社会的貢献の心理学1・2
個人がいかに社会と関わり自己実現していくかを、「社会的貢献」「多様性」「参加社会」をコアコンセプトに社会心理学的な観点から解説します。「誰かと話す」「人を助ける」「結婚」「孤独死」「近所づきあい」などの具体的な例を通して社会心理学がどのような役に立つかをお話しています。
ゼミ
『対人・社会心理学演習1・2』/『卒業論文・卒業研究』
ゼミでは、個人の自由なテーマで研究を進めていきます。教員が「テーマはこれ」と指定することはありません。なかでも重視していることは3つあります。いろいろな課題や作業、発表があるので大変ですが、ゼミ生どうしで助け合いながら頑張っています。
1 プレゼンテーション
自分で素晴らしいひらめきがあったときでも、それを効果的に他者に伝えられなければ、相手に理解してもらうことができません。相手に理解してもらわなければ、自分のアイデアも発展しなくなってしまいます。ゼミでは、プレゼンテーションの練習をしっかり行います。きっと就職活動でも役に立つはずです。
2 実際の社会現象をみつめる
自分が「あれ?」っと思ったことが、実際の社会でどのように動いているのか、ここをしっかり押さえておくことでリアリティのある研究になり、社会で役立つ研究になります。そこで、ゼミでは新聞記事の収集や聞き取り調査、フィールドワークなどを積極的に行います。
3 データをとる
ゼミでは、実証的な研究を重視します。実証的な研究とは、自分で数量データをとり「○○は□%」「△△は◇点」などと明らかにする研究です。そのためには、質問紙調査(アンケート)などの実施が必要となり、統計解析ソフトを使いこなすことも必要となります。自分しかできないオリジナルな研究をしてみませんか?
学会活動・社会的活動
- 日本社会心理学会
- 日本心理学会
- 産業・組織心理学会
- 日本NPO学会
- 日本行動計量学会(編集委員)
- 日本応用心理学会
- Society for Personality and Social Psychology
- American Psychological Association
最近の研究成果
- 「第3章 商店街の社会心理学的機能」(川上善郎(研究代表者)心の中のパッサージュ-商店街の社会心理学的機能- 平成19-21年度科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書(課題番号19530563)pp.37-55, 2010年)
- 住民と行政との協働における個人の参加と相互作用の進展(筑波大学博士学位論文,2008年)
- 成人における行政との協働意図および協働経験を規定する要因の検討(心理学研究,2008年)
- 住民との「協働」に関わる自治体職員の意識に関する探索的検討(産業・組織心理学研究,2007年)
新入生へメッセージ
普段の生活の中で「あれ?」っと思ったことを、心理学的なデータで解き明かしてみませんか?心理学が「おもしろい!」と実感できるはずです。
その他:そもそも、ご自身が「心理学」に進むことになったきっかけ、理由は?
中学・高校の頃、臨床心理学に漠然と興味を持っていました。大学に入って心理学を勉強するにつれ、個人の「こころ」を考えたり援助したりするには、個人ではなくて社会がどのようにつくられているか、バックアップできるかを考えていくことこそが重要と考えるようになりました。人は社会なしに生きていくことはできません。そこから、社会学や政治学など社会科学全般にも興味を抱くようになり、「社会心理学」を専攻しました。

