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大津 悦夫 教授

Etsuo Otsu

学校教育について研究を進めています

大津 悦夫 教授

私が教育心理学を研究していた当初、
ある時に小学校の先生と出会って、学校の現状が変わっていると聞き、
びっくりして調べ始めたことが、現在の研究を続けるきっかけになりました。
それ以来、今日まで研究を続け、小学校や中学校、高校の現場で教えている先生たちを集めた研究会(全国到達度評価研究会)も毎年行い、26回を数えるに至ります。

私が研究を続けているテーマとは、
小、中、高校の「授業の問題」について。
つまり子どもたちが学校の授業について「面白くない」と感じているわけです。
現状の学校教育は、覚えることを先行させています。
しかし本来、勉強というものは、覚えることは結果でしかなく、
モノを考えるチカラを養うことこそが大事であるはずなのです。

そして、いろんな考え方を持った子どもたちがいて良いはずなのです。
これらの課題をクリアにするためには、教科書の問題、子どもの家庭の問題、教師のスキルの問題など、そこには、さまざまな問題があります。
そうした問題をひとつずつ、少しずつでも改善できる方法はないものか、
理想的な子ども教育とは、具体的にどのようなものでなければならないのか、
などについて問い続け、研究を続けています。

現在の研究のテーマ

  1. 教育評価の理論及び到達度評価に関する研究

どんな研究なの?

教師は子どもたちに対して「今日は何を勉強したの?」と確認することも大切。
子どもたちが勉強の内容を、きちんと理解できたのか、どうかを教える側が確認することで、学習の到達度を把握することができます。
理解できていなかったら、どのように教えれば理解できるのかを教師の側も考えなくてはなりません。

また教科書問題について、たとえば「ゆとり教育」と呼ばれた時期の教科書には子どもが理解する上で大事な部分が抜け落ちてしまっている箇所が多く見受けられました。
それについて学校の教師は、補足指導をする必要があったわけです。
それは「ゆとり教育」だけに限らず、いつの時代にもこのような教科書問題は巻き起こっています。
実際、現場の先生たちも困っており、それだけに子どもたちの教育について、具体的に、どのように行えば良いのかを、さまざまな角度から分析、研究を続けています。

主な担当科目 シラバス検索

  1. 教育評価・測定法
  2. 教育心理学研究
  3. 教育心理学演習

教育評価・測定法1 1~3年生Ⅰ期対象 選択科目Ⅰ

評価や測定についての研究史をふまえながら、知能検査や学力テストを中心としたテストづくりに関わる諸問題および教育評価の方法を検討する。
近年、小学生から大学生まで「学力低下」が危惧され、学力問題について社会的な関心がたかまっている。
では、学力とは何か、どのようにして測定するのか、などこの問題についての日本の現状をふまえながら検討することにしたい。
また、標準検査の歴史や考え方を紹介し、知能検査の開発についてもその過程をたどることで知能測定の原理を考えてみたい。

●具体的には…。
知能検査、学力検査が、どんな仕組みで作られているのか、また、どういった考えから作られたのか、社会的な背景を踏まえながら説明します。また、知能検査の古典である田中ビネーに関する解説なども実施します。時代を経て改定され続けている田中ビネーについて、なぜ変える必要があるのか、どういった質問がされてきたのか等を学ぶことも、教育とは何か、発達とは何かを考える上で大切な要素になると考えています。

教育評価・測定法2 1~3年生Ⅱ期対象 選択科目Ⅰ

教育評価や測定について教育現場の実状に即した実際的な諸問題を検討する。
授業の改善や生徒指導を目的とした評価や測定について基本的な理解をはかり、教育現場で行われている評価と測定のもつ特徴と課題とを明らかにする。
戦後直後から指導に生かす評価ということがいわれてきたが、実際には評価は生徒の学習の評価に一面化され、成績に基づいて生徒をランク付けするという役割をはたしてきた。
なぜそのようになったのかを明らかにしたい。
指導要録や通信簿などの評価のシステムにも言及し、そのシステムの中での知能検査や性格検査などの位置づけを検討する。

●具体的には…。
Ⅰ期とⅡ期とは内容を大きく変えます。学生のみなさんが体験してきた小、中、高校の実情が見えてきますので、好奇心旺盛に受講して欲しいと思っています。

教育心理学研究1A 3年生Ⅰ期対象 選択必修科目Ⅱ

Ⅰ期は、教育心理学の研究方法全般について学ぶことを中心とする。
教育心理学は学校教育の心理学的理解や問題解決をはかるための心理学の一分野として発展してきた。
したがって、研究方法は実験的な方法、調査研究、実践的な方法まで多岐にわたっている。
授業では、調査研究や実践的な研究を中心に据えて、研究の方法について全体的な理解を図り、具体的な研究を批判的に読み取る力量を身につけることを目的としたい。

教育心理学研究2A 3年生Ⅱ期対象 選択必修科目Ⅱ

Ⅱ期の授業では、「教育心理学研究1A」の内容をふまえて、具体的な研究を取り上げて検討することを通して、教育心理学の研究の具体的な姿について学ぶことを目的とする。
具体的には、教科学習と学習障害を含む学習研究、友人関係、学校適応(学校ストレス)、いじめや不登校などに関する最近の研究を対象とする。
そして、個々の研究がどのようなことを明らかにしようとしたのか、その際にどんな研究方法をとってきたのか、などについて検討することにしたい。
学生の皆さんには、関心のある分野に関する具体的な研究をイメージしながら、問題意識を深め、具体的な研究方法について考究してもらいたい。

臨床心理学科の教員の担当科目は、2010年度のカリキュラム情報です。

ゼミ

3年生から毎年12名前後の学生がいます。一つのことを多面的にみて、自分で考える姿勢を身につけるよう努力してほしいと思います。

教育心理学演習1 3年生Ⅰ期対象 選択必修科目Ⅱ

Ⅰ期では、受講生の関心のある研究分野について、関連する具体的な研究を概観しながら問題意識を深め、研究課題を明確にしていけるようにする。
適宜、文献や過去の調査研究をまとめ、発表を行う。文献収集の方法等に精通し、個々の研究について、文献の読み方を学び、自分なりの視点でその研究を評価できる能力を養ってもらいたい。

教育心理学演習2 3年生Ⅱ期対象 選択必修科目Ⅱ

Ⅱ期では、受講生の関心のある研究テーマについて関連する具体的な研究を概観しながら、さらに問題意識を深め、研究課題を明確にしていけるようにする。
個々の研究について、論文の書き方、データ整理の仕方等をよく理解した上で、自分の視点から研究を評価できる能力を養い、4年次での卒業論文作成につなげていきたい。

卒論

この授業は卒業論文作成を目的としたもので通年開講である。学生自身がテーマに基づく研究を進めながら、その過程で随時中間報告をしてもらう。適宜、個別指導も行う。各自の問題意識を大切にしながら、卒業論文にまとめあげる過程では、計画性と持続性とが大切である。随時行われる中間報告では、わかりやすい発表と積極的な討論、論文作成に役立つ相互評価を期待したい。
なお、授業時間外の個別指導がかなりの時間に及ぶが、それについては随時指示する。

ゼミの卒業生たちの進路

大学院に進んで、さらに深く学ぶという学生、教職を目指す学生、一般企業に就職する学生など、実にさまざまです。

学生へのメッセージ

新入生のみなさん、自分がこれまでに受けてきた学校の授業、そして教育とは一体どのような目的で、どのような仕組みから考え、どのような方法で行われてきたのか、その実情を知ることは、とても大事なことだと思います。
そんな意味において、私の授業は、知ることこそが目的と言えるでしょう。
興味を持って、積極的に授業に参加してください。

学会活動・社会的活動

  • 日本教育心理学会会員
  • 日本心理学会会員
  • 日本教育方法学会会員
  • 教育目標・評価学会理事

最近の研究成果

  1. 『学力調査の方法論に関する検討─指導の改善に生かすための方法の確立─』(『立正大学心理学研究所紀要』第1号、平成15年3月)
  2. 『読解力の指導と書く能力について』(『立正大学心理学部研究紀要』第7号、平成21年)

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