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岡本 淳子 教授

Junko Okamoto臨床心理士

スクールカウンセラーや教育相談への基礎的学び

岡本 淳子 教授

子どもの成長は、どんなことを通して支えられていくのでしょう。子どもたちのちょっとした心の痛みが大きな問題にならないために、心理臨床の専門的視野からの視点が役立ちます。

人間は人と人との間で生きて、多くの人に支えられて成長していくものです。また、よく考えると、これまでの人生の途上で誰でも心に痛みを感じる経験を一つや二つしていることでしょう。ただ、それに気づかないうちに誰かが手を差し伸べてくれて、皆さんは今ここまで無事成長してきているものと思います。学校や家庭で、また友人との間で抱いた心のわだかまりは、解決されないまま引きずって大きくなると、子どもたちでは不登校や、暴力、いじめ、自殺などの問題にもつながりがちです。

スクールカウンセラーは、子どもたちの遊びやグループの中での会話などから、子どもたちの心を感じて語りかけて手を差し伸べていきます。また教育相談機関などでは、遊戯療法やカウンセリング、家族療法などの心理臨床の専門的立場から援助を行って、子どもや家族が自分の力を取り戻し、周囲の様々な力を活かしてその子どもなりの成長をしていくことを援助していきます。

学部の学びではまず心理学を基本的に理解する基盤を作り、その上に専門的な支援とはどんなことなのかも学んでいきます。学部生のうちに積極的に取り組んでいるボランティア活動などは、授業の流れの中で取り上げていくこともあります。丁寧に取り上げてみると自分と他者との関わりの中で育ちつつあるものに気づき、また、教科書が説いている一行一行を自分の実践と照らしあわせてより深く読み取れるものです。それが、学生にとってうれしい学びとなっていく姿がいつも印象的です。

現在の研究のテーマ

  1. 学校心理臨床の現状と課題に関する研究
  2. 臨床心理士養成における視点に関する研究

どんな研究なの?

学校は組織として運営されていますが、先生や子どもたちの生活する場ではさまざまな問題が起こります。子どもたちや教師たち、保護者の抱える課題に、スクールカウンセラーや教育相談の領域から、心理臨床の専門家としてどのような支援ができるのか、どんなところに課題があって、どんな対応が求められるのかなどについて研究しています。

また、心理臨床の専門家を育成するためには臨床心理実習が重要な役割を果たしているところですが、専門家の育成のあり方について主に学校臨床心理実習を通して研究しています。

主な担当科目 シラバス検索

  1. 心理療法
  2. 臨床心理面接特論
  3. 学校臨床心理学特論
  4. 臨床心理地域援助特論
  5. 学校・教育臨床心理学特殊研究

心理療法

臨床心理学では個を深く理解することを基盤にして、心にストレスや葛藤を抱えている人の悩みを解決したり、心の傷を抱えながら生きている人を援助したりするのに必要な理論や方法について研究しています。心理療法はその実践活動であるといえますが、歴史的経緯の中で現代では多くの心理療法が考案され、実践されています。 本授業では、心理療法とはいったいどのようなことを言うのかを学びの一歩として、次に各心理療法の背景にある理論を理解し、各療法の目指しているものについて研究的に学んでいきます。

臨床心理学科の教員の担当科目は、2010年度のカリキュラム情報です。

ゼミ

ゼミのテーマ

「子どもの心理的成長と適応にかかわる領域での研究
~子どもから青年期へ:家族、学校、対人的かかわりなどにおける課題の研究~」

臨床心理学に関する研究論文を作成していく意義や手続きについて、各学生が関心をもつテーマへのアプローチを通して学んでいきます。人の生き方や成長、適応などに関して、自分が研究目的としてどんな内容を研究テーマとして絞り込めるのだろうか。それは、臨床心理学の中ではどのような位置づけにあるのだろうか。どのような方法でそれを探究することができるのだろうか。先行研究の探索を丁寧に行いながらゼミの中で発表を繰り返し、自分にできる研究方法を選びまとめていく手続きを体験的に学んでいきます。研究途上ではゼミ仲間が協力し合うことも重視して、これから発展的に進めていく学習を支えあえる関係づくりもしていきます。

自分自身の関心について真摯に取組を続けていくことはより深い自己理解につながることを、例年卒業論文作りを通じて感じています。自主的、能動的な取組が、研究成果を自分にとっても充実したものにします。

ゼミ生からの声

岡本先生ってどんな人?
  • 「厳しいけれど、ゼミ生のことをいつも心配してくれる」
  • 「面倒見がいい」
  • 「社会人になるためのマナーやモラルなど大切なコトを教えてくれる」
ゼミの雰囲気
  • 「グループ研究や統計の勉強など今までやらなかったことに挑戦する事が多いけど、みんなで考えたり、相談しあったりしながら、いろいろなことに挑戦して頑張ってみよう!!って思わせてくれる団結力があるゼミ」
  • 「一人ひとりの考え方や個性ははっきりしているのに、協力しお互いに思いやりをもって行動ができるゼミ」
  • 「自分からどんどん行動しないと何も進まないので、自主性が育つ!」

合宿
  • 「バーベキューと・・、テニスと・・、花火と・・、とにかく遊んだ!」
  • 「みんな仲が良いからできることだったよね」

卒業研究・卒業論文のテーマの例

  • 「青年の自己評価と社会的スキルに関する研究」
  • 「大学生の親への認識と自立のかかわり」
  • 「大学生の家族機能のとらえ方が心理的自立に及ぼす影響」
  • 「親子関係と逸脱行為の関連性」
  • 「不登校事例の回復への支援をめぐる一考察」
  • 「アニマルセラピーが心理的回復過程に及ぼす効果について」
  • 「いじめの及ぼす長期的影響」
  • 「携帯電話の利用と孤独について」
  • 「大学生における笑いのストレス解消効果について」
  • 「援助関係における高齢者の自尊感情」

ゼミ卒業生の進路(2009年度)

  • 大学院進学4名(臨床心理学専攻2、学校臨床心理学専攻1、スポーツ社会科学1)
  • 民間就職7名、公務員2名(国・地方自治体合格、政令指定都市児童相談所非常勤各1)

学会活動

  • 日本心理臨床学会
  • 日本精神衛生学会(理事)
  • 日本コミュニティ心理学会
  • 日本家族研究・家族療法学会
  • 日本カウンセリング学会
  • 日本児童青年精神医学会など

社会活動

  • 中央教育審議会専門委員(2007年度)
  • 教育相談機関等に関する調査研究協力者会議委員(2007年度)
  • 全国学校臨床心理士ワーキンググループ担当理事(2009年度学校臨床心理士全国研修会実行委員長)
  • 日本臨床心理士養成大学院協議会会報編集委員
  • (財)日本臨床心理士資格認定協会総務委員他諸委員
  • 公立教育相談所講師(スーパーヴァイザー)
  • 東京都立高等学校運営連絡協議会協議委員、公立中学校校区外部評価委員長
  • 自殺総合対策東京会議委員

最近の研究成果

  1. 「犯罪被害者等支援に資する臨床心理士の実践課題について」(財.日本臨床心理士資格認定協会)
  2. 『臨床心理外部実習における学校臨床実習の定着化』(立正大学臨床心理学研究第5号)
  3. 「いじめ自殺とスクールカウンセラー」(臨床心理士報第18巻第1号)
  4. 「いじめ問題にかかわる教師の認識についての一考察」(立正大学心理学研究所紀要第3号)
  5. 「スクールカウンセリング」(財.放送大学教育振興会)
  6. 「教育相談からみた学力問題」(東京大学大学院教育学研究科附属学校臨床総合教育研究センター年報第5号)
  7. 「教師の児童・生徒への対応をめぐる諸問題に関する研究の動向と展望」(東京都立多摩教育研究所)

主な著書

  1. 「教育心理臨床パラダイム」(現代のエスプリ別冊)(至文堂)
  2. 「臨床心理士の歩みと展望』(誠信書房)
  3. 「スクールカウンセラーの役割とかかわり」(学事出版)
  4. 「臨床心理と心理療法」(「図説心理学入門」)(誠心書房)
  5. 「親と教師で違う叱り方・ほめ方」(金子書房)
  6. 「暴力と思春期」(「思春期青年期ケース研究9」)(岩崎学術出版社)
  7. 「学校危機と心理臨床:学校危機に取り組むスクールカウンセラー」(至文堂)

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