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柿谷 正期 教授

Masaki Kakitani 臨床心理士

人間の内なる偉大なチカラを信じて

柿谷 正期 教授

批判したり、責めたり、文句を言ったり、ガミガミ言ったり、脅したり、罰したり、褒美で釣ったり…それらは致命的な習慣。
そんな方法で他人に何かを強制的にさせることは問題だと私は思います。

私たちが誰かに与えられるものは情報だけで、その情報を受け取った相手が、やるのか、やらないのかは相手の選択次第。
つまり、これが「人間の行動は選択である」というDrグラッサーの『選択理論』です。
この理論に基づき、アメリカ・ミシガン州でグラッサー・クオリティ(上質)・スクールが設立されたのですが、地域の子どもたちの平均点数は国語49.5点、数学60.5点だったのに、同校は国語83.2点、数学85.3点と大幅に平均点をアップさせることに成功したのです。勉強がわからない子どもに対して、動機付けは内側からと考えて対応した結果です。生徒と教師の人間関係を良好なものにすることによって、情報の与え方を変えたのです。また、これにより生徒たちが家にいるより学校が楽しいので、「僕たちは夏休みはいらない」と言い出したのです。
この学校教育は世界的に注目を集めて、現在では各国に、そして日本にもグラッサー理論によるクオリティ・スクールを目指す学校が開校されるに至っています。
これは児童、生徒、学生たちばかりではなくて、成人対象の社員教育として、そして心に病を持った方々にとっても応用できる理論なのです。メンタルヘルス不全の根にあるのは人間関係の諸問題です。私の研究は栄養療法も含まれます。栄養心理学と言ってもいいでしょう。たとえば栄養療法により、統合失調症やうつ病が治癒されたという報告例は数多くあります。

選択理論にしても、栄養療法にしても、それは人間本来が持つ、内なる力によるものと言えるのではないのでしょうか。
そうした最新の心理学分野について、私は研究を進めています。

現在の研究のテーマ

  1. 選択理論
  2. 現実療法
  3. クオリティ・スクール
  4. リードマネジメント

どんな研究なの?

人が、もともと持っている能力を活かし、伸ばし、発揮させるための学校教育、社員教育の方法論である「選択理論」の研究。
また、心の病も同じように、その人が、もともと持っている能力に委ねて、栄養学によって治療するという未開拓分野の研究もしています。選択理論を身につけた人がカウンセリングをすると、それが「現実療法」になると言われます。
つまり選択理論、現実療法、クオリティ・スクールは、それぞれ、まったく違った分野のものではなくて、ひとつに関連づいたものであり、一貫性のある研究テーマであると言えるでしょう。

主な担当科目 シラバス検索

  1. 心理療法
  2. 学校臨床心理学研究
  3. 臨床心理学演習

心理療法1B、2B  2年生Ⅰ、Ⅱ期対象

心理療法は数多くあります。それぞれの療法をなるべくたくさん網羅して、提唱者、療法の長所、短所を知り、その中から、自分が関心を持つものを極めて欲しいと思います。
参加型の学習方法として共同学習を取り入れます。
また、自分の研究の足跡を確認し、研究の方向性を見いだすために、ポートフォリオ(portfolio) 学習を導入します。
大家のやり方を映像で確認することもします。
人の話を聴くだけでは10%しか学ばないのに、教えることによって90%学ぶと言われます。ひとつの主題についてまとめ、それを発表することで学習効果を高めて欲しいと思います。
【個人課題】
以下のひとつを選び、何も知らない聴衆を対象に10分程度のミニレクチャーを準備してください。1回目の発表はクラス内の小グループに、2回目の発表はクラス以外の人に発表してもらいます。フィードバックを受けて、改善して、アウトラインと自己評価をレポートとして提出してください。

●アドバイス1
授業初日にグループ分けをします。お休みしないようにしてください。
楽しいクラスにしたいと思います。

●アドバイス2
例年Ⅰ期の受講生は、Ⅱ期の受講生とほぼ同じです。若干の出入りがあると思いますので、グループ分けの微調整をしますが、Ⅱ期の最初の授業からグループ発表となりますので、Ⅰ期からの準備が必要です。

学校臨床心理学研究1B、2B  3年生Ⅰ、Ⅱ期対象 選択必修科目Ⅱ

学校臨床には固有の問題があります。いじめ、不登校、暴力、盗み、非行、自死、勉強の遅れ、等々の問題に対処する方法を身につけるだけでなく、そのような問題を予防するための取り組みにどんなものがあるか。
品質管理の父と呼ばれるデミングは、組織の中に問題が起こったときに、その構成員に問題があるのではなく、多くはシステムの問題であると主張しています。
デミングの言う「14ポインツ」を教育に適用するときに、興味深い変化が起こってきます。選択理論心理学を提唱するグラッサーは、犯罪矯正に関わる過程で、学校では落伍者を出してはならないと考えるようになります。
それが犯罪予防に直結しているとして、『落伍者なき学校』を著しました。後にグラッサーは「上質」を学校で追求することが問題解決につながるとし、「クォリティ・スクール」の概念を追求し始めます。
コンピテンス(出来るというレベル) を求める学校経営こそ、問題解決に直結するものです。グラッサー・クォリティ・スクール(GQS) は人々が描く理想の学校に限りなく近いものです。GQSと呼ばれる学校をどのようにして創造するか。
そのような学校の特徴にはどんなものがあるか。選択理論を基盤にした学校経営はどのようにして行われるか。こうした点をチャーター・スクールの特徴、可能性を検討しながら探って行きます。

●アドバイス
授業初日にグループ分けをしますので、お休みしないようにしてください。

●学校臨床心理学研究2Bで実施するミニ講演の課題について。
あなたが学校のPTA で教育に関する講演を依頼されました。
15分程度のミニ講演を準備して、クラスで発表してください。
聴衆は保護者と教師という設定です。
小グループで発表し、フィードバックを受けて、クラス全員の前で発表してください。
時間の関係上、全員の前の発表は限られた人数のみです。
【グルーブ課題の例】
1. フィンランドの学校制度について
2. オランダの学校制度について
3. 教育に競争を導入することの功罪について
4. 品川女子学院について
5. 秋田県の教育について
6. シュタイナー教育について
7.グラッサー・クォリティ・スクールについて

●アドバイス
グルーブ分けをしますので、お休みしてグループに迷惑がかからないようにしてください。

臨床心理学科の教員の担当科目は、2010年度のカリキュラム情報です。

ゼミ

臨床心理学演習3C  3年生Ⅰ期対象 選択必修科目Ⅱ

担当教員が世界共通のリアリティセラピー公認インストラクターの資格を有しているので、Ⅰ期は「リアリティセラピ-集中基礎講座」に匹敵するものをカバーする予定です。
選択理論と現実療法の基本をロールプレイやビデオを使って学習します。
人の話を聴くだけでは10%しか学ばないのに、教えることによって90%学ぶと言われます。ひとつの主題についてまとめ、それを発表することで学習効果を高めて欲しいと思います。

【個人課題】
以下のひとつを選び、何も知らない聴衆を対象に10分程度のミニレクチャーを準備してください。1回目の発表はクラス内の小グループに、2回目の発表はクラス以外の人に発表してもらいます。
フィードバックを受けて、改善して、アウトラインと自己評価をレポートとして提出してください。
「上質世界」「基本的欲求」「全行動」「外的コントロール」「グラッサー・クォリティ・スクール」「リード・マネジメント」「現実療法」「知覚のシステム」

●アドバイス
選択理論を身につけるためのベストな方法はロールプレイをすることです。7つの致命的習慣を避けて、思いやる7つの習慣(受け入れる、違いを交渉する、励ます、尊敬する、耳を傾ける、信頼する、支援する)を身につけよう。

臨床心理学演習4C  3年生Ⅱ期対象 選択必修科目Ⅱ

前期でカバーしきれていないことを継続して学習した後、テキストに指定されている原書の12章を読み、調査研究の種類や範囲を知り、自分の興味分野を拡大できたらと願っています。原書の読み方については、英語の学習にも役立つように共同学習を取り入れ、仲間に自分の発音をチェックしてもらえるようにしたいと思っています。
学期が終わったときには、選択理論や現実療法を学んだだけでなく、英語も随分上達したと思えるような取り組みができたらいいなと思っています。

●アドバイス
学ぶ楽しさを体験しよう。先輩が「毎日ゼミならいいのに・・・」と言っていました。

卒論

質の高い卒業論文を目指します。提出期限が決まっているので、スケジュールに沿って進めます。調査研究をする人は夏休み前にデータを集めましょう。
11月中には完成させ、12月中はじっくり推敲できるようにし、お正月はゆっくり過ごせるような流れを考えています。Ruth Whitman の"Write first!"を良きアドバイスとして受け入れ、「まずは、書く」という習慣を身につけたいです。John Bolker は、毎日15分は書くという習慣を提唱しています。
書いているうちに、研究の不備なところが分かってきますし、整理されてきます。考えるために書くのです。提出前にはそれぞれが完成間近の論文の読み合わせをします。
授業は、各自の研究を発表する機会を提供する場として活用して下さい。
クラスのフィードバックを受けて、さらに上質な取り組みを目指してください。

●アドバイス
早め、早めの取り組みをしたいと思います。

主な卒業生たちの論文タイトル

  • 「基本的欲求と無気力行動に関する研究」
  • 「統合失調症の栄養療法的アプローチ」
  • 「自閉性障害へのアプローチ再考-ペプチドが及ぼす影響-」
  • 「ダイエットにおける現実療法の意義-選択理論が動機づけと自己管理の継続に及ぼす影響について-」
  • 「HOD診断テストの有効性研究」
  • 「ADHD児の多角的研究」
  • 「グラッサーの基本的欲求とBig Fiveの関連性研究」

卒業生たちの進路

毎年、何名かは、さらに深く学ぶために大学院へ進学。
立正大学大学院、東北大学大学院、目白大学大学院、早稲田大学大学院、沖縄国際大学大学院、新潟青陵大学大学院、文教大学大学院、等。
また精神保健福祉士になるために進学する人もいます。
何名かは医療、福祉の分野へ就職。
の他、公務員、一般企業などへの就職。

自己紹介

学生時代、私は英文学を学んでいましたが、その後、1968~78年の間にウィートン大学大学院、 トリニティ国際大学大学院、ジョージア州立大学大学院などで英文学、実践神学、牧会カウンセリング、カウンセリング心理学等を学び、4つの修士号を取得。
アメリカで10年間、研究活動に専念していました。
そこで栄養学などの見地から精神障害を治療する領域に関心を持ち、その後現実療法と選択理論との出会いがあって、日本で広めることをしています。
中央大学で教鞭を取っていた1985年当時、米軍横田基地の関係者からの依頼により、従軍牧師の研修会での講義を担当し、この関係者を通して現実療法の詳細を知るようになりました。
また現実療法を行うに不可欠なカウンセリング知識の習得についてはハワイで中級、アリゾナで上級講座に参加。
1986年、日本で初めて認定講師による第1回リアリティ・セラピー(現実療法)基礎講座を4日間に渡って開催。
リアリティ・セラピー講座は以後、定期的に開催するに至ります。
現実療法も選択理論も、その人が本来的に持つ能力を引き出し、発揮させるものであり、選択理論を理論の拠り所とする現実療法は、その人がどうなりたいか、そのために何をしているか、それは効果があるか、という常識的な考え方を基にしているもので、学びやすく、納得しやすいものだと思います。
私はこれら最先端の知見によって「子どもたちの笑顔がイキイキと輝けるように」「会社で働く人々がのびのびと活躍できるように」、そして「心に病をもった方々が日常生活に戻れるように」という、それらの目標を達成するために、意欲的に研究活動を続けています。

貴重な「グループ・ホーム」での体験

アメリカから帰国した当時、私財を投じて「グループ・ホーム」を開設しました。こちらは重度な統合失調症の方々を受け入れての共同生活でした。
約17年に渡って共に生活を続けた体験を、現在の研究成果に活かして行きたいと思っています。

学会、社会的活動

  • 日本選択理論心理学会会長
  • 日本カウンセリング学会
  • AAMFT(アメリカ結婚・家族セラピー学会) 
  • AASECT(アメリカセックス教育者、カウンセラー、セラピスト学会)
  • 日本臨床心理士会
  • 日本心理臨床学会
  • 大磯町立大磯中学校学校評議員(平成15年~18年)

最近の研究成果

  1. 自閉症研究
  2. 統合失調症への分子栄養学的アプローチ
  3. 選択理論と教育

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