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草野 智洋 特任講師
Tomohiro Kusano![]()
心理学を通して、生きることの意味を探求していきましょう

このページをご覧になっている高校生のみなさん。みなさんは、「何のために勉強するのだろう」と考えたことはありませんか。良い大学に入るためでしょうか。では、何のために良い大学に入るのでしょう?良い仕事に就くためでしょうか?では、何のために良い仕事に就くのでしょう?そもそも「良い大学」や「良い仕事」とは、いったい何でしょう?考えていけばきりがありませんね。
ヴィクトール・フランクルという心理学者(精神医学者)は、この「何のために?」という“意味を求める問い”こそが、人間が生きていくうえで最も重要な問いだと考えました。人間というのは「○○のために」という意味や目的が明確であれば、どんな困難にも耐えることができます。逆に、経済的には豊かで何不自由なく生きていける境遇にある人であっても、生きることの意味や目的を見失い、精神的な病気になってしまったり、むなしく絶望的な気持ちで毎日を暮らしている人もいるのです。
多くの人は、お金持ちになるとか出世するとか、社会的・経済的に「成功」することを望み、「失敗」することを恐れます。しかし、上にも述べたように、人が社会的・経済的に「成功」するかどうかと、精神的に生き生きと「充実」した人生を送ることができるかどうかは、全く別の問題なのです。
私は心理学の中でも特にロゴセラピーという心理療法を専門に研究しています。ロゴセラピーとは、人が(経済的・社会的な「成功」ではなく)精神的に「充実」した人生を送ることを援助するための理論・療法です。これを読んで興味を持たれた方は、私と一緒に「意味の探求の旅」へと出かけてみませんか?
現在の研究のテーマ
- 思春期青年期のひきこもり研究
- ロゴセラピー
どんな研究なの?
現在、日本には特別な身体や精神の病気がないにもかかわらず、社会に出て他人と関わることのできない「ひきこもり」と呼ばれる状態にある人が数十万人単位で存在しています。
現在の日本では、ほとんどの人が学校を卒業して就職し、定年を迎えるまで働き続ける、というレールに沿って生きています。しかし、どこかでこのレールから外れてしまった人は、学生であれば「学校に行かなければいけない」、大人であれば「働かなければいけない」という周囲からの、そして何よりも自分自身からのプレッシャーによって苦しんでいます。
そして、苦しめば苦しむほど、ますます学校に行くことや働くことができなくなってしまいます。なかには、ひきこもり状態でこんな自分には生きている価値がないと考え、自殺を図る人さえもいます。また、実際に家にひきこもっているわけではなく学校や仕事に行くことができている人の中にも、どこか社会に居心地の悪さを感じてうまくやっていけない、という人がたくさんいます。
私の現在の研究テーマは、このようなひきこもり状態・またはひきこもり傾向によって苦しんでいる人に対して、どうすればより効果的な支援ができるかを模索していくことです。その際に、先に述べたロゴセラピーの「生きる意味」という視点を取り入れることが有効ではないかと考えています。
学会活動・社会的活動
- 日本心理臨床学会
- 日本カウンセリング学会
- 日本思春期青年期精神医学会
- 日本ロゴセラピスト協会
最近の研究成果
- 「大学生のひきこもりに関する研究の現状と展望」(思春期青年期精神医学)
- 「E.Lukasによるロゴセラピーの会話スタイルの4要素 ―"Lehrbuch der Logotherapie"を基礎にして―」(大阪大学大学院人間科学研究科心理教育相談室紀要)
新入生へメッセージ
心理療法やカウンセリングというと、誰か他の人を援助するものだというイメージがあるかもしれません。それはもちろんそうなのですが、実はそのためにはセラピストやカウンセラー自身が、健全な心と身体を保っていることがとても大切です。
勉強はもちろん大事ですが、勉強だけが大学生活の全てではありません。大学生の間に自分の好きなことや趣味、理解しあえる友人などを見つけて、「充実」した大学生活を送ってくださいね。

