- ホーム
- 臨床心理学科:教員紹介
- 日向野 智子 特任講師
日向野 智子 特任講師
Tomoko Hyugano, Ph.D
“苦手意識”って、どうして生まれるの?!

嫌いじゃないけど、なぜだかうまくいかない人っていませんか?
できるなら関わりたくない、一緒にいると落ち着かないなど・・・。
誰にでも“苦手な人”って、いますよね。
どうも、この人だけは苦手…。
でも、それは、どうして?
理由や原因がハッキリしている場合もありますが、
よく分らない場合もあります。
自分自身の、そんな“苦手意識”は、見ないようにすれば、
ずっと見ないで済むことなのかも知れませんが、
そこにある“どうして?”という疑問に向き合うと、
これまでに見えていなかった自分の気持ちや自分と相手との関係など、
今までとは違った側面がみえてくることがあります
苦手意識が生まれる原因を探り、苦手意識の特徴や影響を理解する。
そんなふうに、苦手意識の見方を少し変えるだけでも、
苦手意識を不適応から適応に変えるためのコツが得られるかもしれません。
社会心理学では、苦手意識のような些細な日常的出来事を解き明かしていきます。
身近な人間関係について振り返り、興味関心を持って生活することが、
心理学的研究の第一歩になります。
小さなことでも興味や疑問を持って接し、一緒に楽しみながら研究してゆきましょう。
現在の研究のテーマ
- 対人関係における苦手意識
- 社会的適応
- 消費行動における世代間格差
どんな研究なの?
日常生活のなかで、誰もが経験したことのある苦手意識とは、どのようなものであるのかを、さまざまな角度から研究しています。
苦手意識をもつと、苦手な人や苦手意識を感じる自分自身に対してネガティブな感情がめばえます。ネガティブな感情は、不快でこころを乱すものですから、そのような感情をなるべく感じないように動機づけられます。こころを乱す相手、すなわち、苦手な人とのかかわりを最低限なものにし、距離をおこうとするわけです。
しかし、そのような願いにもかかわらず、職場や近所づきあいなど、現実には苦手な人と接近せざるをえない状況が多々あります。それゆえ、些細なことに思われる苦手意識が、個人にとってはストレスになりやすいようです。
このような苦手意識について、特に、特定の人に向けられる苦手意識を対人苦手意識と名付けて概念化し、苦手意識の特徴や生起過程、苦手意識の影響等について、さまざまな角度から検討を行っています。
また、苦手意識の研究をベースに、現在では消費行動における世代間格差について研究を進めています。
主な担当科目 
- 社会心理学
- 心理統計
- 心理学基礎実験
社会心理学1、2 1~3年生Ⅰ、Ⅱ期対象 選択科目Ⅰ
わたしたちは、まわりの人から様々な影響を受けると同時に、自分もまわりの人に多くの影響を与える存在です。たとえば、自分と誰かの容姿を比較したり、友人の意見に同調したり、誰かを好きになったり嫌いになったりします。まわりの人も、あなたと同じような気持ちになったり、行動をしていたりしているはずです。これらはすべて、人と人とが関わることによって、また他者が存在することによって生じる社会的行動です。
わたしたちは、他者との関わりあいを通じてどのように感じ、考えるのでしょうか。また、他者と関わりあうなかで、どのような行動を選択していくのでしょうか。社会心理学とは、このような社会的状況における心理的メカニズムを科学的に明らかにしようとする学問です。
講義では、さまざまな社会的状況における社会的行動と心理的プロセスについて、実証研究の結果に日常例をまじえながら解説していきます。
●アドバイス
社会心理学では、みなさんの社会的行動そのものが研究対象になります。
他者の存在や身近な人間関係、集団の一員としての自分など、日ごろからさまざまな社会的事象に関心をもってください。
心理学基礎演習1A・2A 1年生Ⅰ、Ⅱ期対象 必修科目
大学では講義形式の授業が多く、受け身になりがちです。それにもかかわらず、研究成果や自分の意見について、論理的に明確にまとめなければならない機会も多くあります。
基礎演習では、学生の皆さんが主体的に学ぶ姿勢を身につけられるよう、講義だけでなく実習を含めて授業を進めます。心理学の専門家がどのようにして心理学研究を実施しているかを学び、科学的思考のあり方・自己表現の仕方・発表の仕方などの基礎を習得していくことを目指しています。
基礎演習1では、問題意識の具体化、文献の収集の仕方・文献の読み方、レポートや論文のための作文技術、一連の心理学研究のうちの基礎的部分について勉強します。また、パーソナル=コンピュータを使用して、インターネットによる文献検索や電子メールによる報告書の提出なども行います。
基礎演習2では、心理学的な研究の計画、データ収集の方法・データ処理法、研究のまとめ方、プレゼンテーションの仕方、レポートや論文の組み立て方など、一連の心理学研究のうちの実践的部分について学習します。
●アドバイス
大学では、基本的にワープロでレポートを作成します。パソコンでの入力作業に不自由しないよう、苦手な人は訓練しておくとよいですね。
心理統計法1・2 1年生Ⅰ期・Ⅱ期対象 選択必修科目Ⅰ
講義中に、とある学生が突然苦しみだしたとします。講義を受けていたあなたはこの学生を助けるでしょうか?助けるとしたら、援助行動の開始までにどれくらいの時間を要するでしょうか。このような疑問が生じたとき、心理学では実験や調査を行って援助行動の測定を行います。心理学的現象について「客観的なデータ」を収集する、すなわち「統計をとる」のです。
観察の結果、急病の学生を助けたのは男性が3人、女性が2人だったとします。このとき、男性なら1点、女性なら2点を割りあてました。この5人について、平均値を求めたところ、(1+1+1+2+2)÷5で、援助行動における男女の平均点は1.4点になりました。さて、この1.4点が意味するものとはなんでしょうか? たとえ客観的にデータを得た(統計をとった)としても、データの数値的特性に応じて、データを適切に処理しなければ、せっかくとったデータが意味のないものになってしまいます。心理統計1では、得られたデータを適切に処理し、報告するための統計学の基礎を習得します。
また、実験の結果、「学生が急病だ」という緊急事態に気づかないという現象が生じる確率は20パーセントだったとします。この20%という生起確率について、「めったに生じない確率」と思う人もいれば、「このくらいなら偶然でも生じるだろう」と思う人もいます。 同一の結果について、誰もが誤りなく一致した結論を下すためには、現象を理解するツールとしての統計的仮説検定が必要不可欠です。心理統計2では、心理学の実験や調査で施される推測統計学的手法である統計的仮説検定を学びます。
●アドバイス
数学嫌いな人にとっては気が重い科目だと思います。とはいえ、心理学的事象を客観的にとらえるために、統計学はなくてはならないものです。授業だけでなく、基礎演習や心理学基礎実験などを通じて、少しずつ理解を深めていけばいいと思います。
心理学基礎実験1F、2F 2年生Ⅰ、Ⅱ期対象 選択必修科目Ⅰ
この授業では、(1) 心理学の研究方法・手続きを理解し、(2) 結果の適切な処理方法を学び、(3) データを心理学的に正しく解釈することを体得し、(4) 実験レポート作成の要領を習得することを目指します。
心理学における実験を追試(過去に行われた実験と同じ方法で実験を行うこと)し、先行研究と同様の結果が得られるか、理論や仮説は正しかったかなど、学生自ら実験を行うことにより、実証科学としての心理学を学んでいきます。
●アドバイス
基礎実験は、大学の授業の中で単位取得が最も難しい授業の一つかと思います。がんばってくださいね。
臨床心理学科の教員の担当科目は、2010年度のカリキュラム情報です。
学会活動・社会的活動
- 日本心理学会
- 日本社会心理学会
- 日本グループ・ダイナミックス学会
- 産業・組織心理学会
- パーソナリティ心理学会
最近の研究成果
- 「学級集団内地位とパーソナリティ特性からみた対面苦手意識」(『実験社会心理学研究』46 巻2 号・2007 年)
- 「対人関係のダークサイド」北大路書房 2008年(第6章『人を苦手になる』執筆)
- 「現代のエスプリ:ポジティブ心理学の展開」至文堂 2010年(『組織内のポジティブな人間関係』執筆)
- 「対人苦手意識に影響を及ぼす2つの要因-対人苦手意識の原因帰属と人づきあいにおける苦手意識-」(『立正大学心理学研究所紀要第8号』2010年)
新入生へメッセージ
幅広い視野に立ち、楽しみながら、自分の興味関心をとことん追求していきましょう。

